VNWA3 の使用可能周波数帯は 1.3GHz までとありますが,実際にそこまで使うとグラフが暴れます.例えば calibration 直後で使用した cal kit の load のままで測った S11 は以下のようになってしまいます.

小さいので見にくいと思いますが,青線が smith chart,赤線が VSWR(0.1/div) です.本来点になるべき smith chart は見事な梅干しっぷり(*).VSWR を見ると 580MHz 以下くらいはあまり問題ないですが,そのあとばたつき始め,1048MHz あたりにするどいスパイクが出て,1300MHz に向けて最後は 1.1 くらいまであがっていきます.
この前の calibration の時の画面ですが,以下のようになっています.

smith chart の方は,load なので真ん中あたりには来ますが, calibration 中ですからびしっとしていないのは当然です.ただ,VSWR のほうをみると,いくつかの段が出ていることが分かります.設計上仕方ないのだと思いますが,580MHz あたりに最初の leap があります.これ以上の周波数帯では校正しきれないばらつきが生じるのでしょうか.
ちなみに冬休みに使っていた S 君曰く,USB ケーブルの違いの影響もあるようだというので,試してみたのが以下.

1048MHz近辺のスパイクが低くなっているのが分かりますが,ただし複数回測定したわけではないので,本当に USB の所為かは断言は出来ません.この後のグラフは戻っているので多分関係ないとは思いますが,そのうち再実験したいと思います.また他の部分での違いはほとんどありませんでした.なお USB のポートによって違いが出るということは kei さんが既に
こちらでお書きになってます.
純正 cal kit の load の特性によるものかも知れないので,念のために他の load をつけて測定してみました.まずは KMCO のプラグ終端.

10MHz での値を見ると,1Ωくらいずれているみたいですね.ただし,終端の方も 5% くらいの誤差はあると書いてあるので,正常な範囲でしょうか.そもそも cal kit の load もどれくらいずれているか分かりませんからね.あ,そういえばつなぐときにトルクレンチを使いませんでした.ちゃんとつなぎ直したのがこれ.

ちょっと変わりますが,まあ大体同じですね.最後に VNWA3 のプラグキャップとして同時購入したチェーン付き終端(SMA Male load w. Chain)です.

これもわずかにずれていますが,振る舞いは同じような感じです.
というわけで,上が伸びない理由は load の所為ではないとは思いますが,open があれ(thru兼用)でいいのか?とか心配になったりもするので,今度まともなので試してみて,VNWA3 本体側に原因があるのかを確かめたいと思います.
なおケーブルによる影響を排除するため,測定はこのようにしています.一応まともな SMAPP を買って来ました.hi

(*)梅干し:校正が終わった VNA で 50Ω load スミスチャートを表示させると,中心に点一つにまとまるべきなんですね.その load で校正しているからです.しかし,calibration は周波数領域に対し連続ではないので,校正ポイントが測定ポイントと周波数的にずれていると,ぴたりと点にはならずにある分布を持って広がります.大体の場合は丸く広がるので,このような現象を我々は
梅干しと呼んでいます.他にも梅干しになる原因はいろいろありますが,真っ当な機材なら大体 calibration を取り直せば解消します.