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by jq1ocr

プリント基板の作り方

忘年会でも話題になったのですが,プリント基板を作る方法(道具)をご紹介します.最も一般的と考えられる感光基板を使う方法です.ただし道具は基板サイズが 100mm×150mm までのものに対応するものをリストしています.

Step.1 原版を作る
プリント基板上に作成するパターンを作ります.いいソフトはいろいろあると思いますが,私の場合は林檎國住人であることと,回路図を起こさずにいきなり脳内パターン(笑)を作成するので,使っているのはなんとイラストレータです.笑 原寸でいくつか部品(パターン)を作っておき,それを配置していきます.特殊な部品でも現物があればノギスを片手に寸法取りできますしね.プリントはインクジェットで専用のフィルムに印字します.
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これが高価でA4一枚500-600円位なので,いくつものパターンをまとめて印刷したり,A5 (半分)に切って使ったりしています.ここで注意するのは,印刷面を基板につけるため,「膜下(逆像)」でプリントアウトすることです.普通の OHP にレーザープリンタでパターンを印刷することもできると思うのですが,遮光効果の面から無調整ではちょっと難しいかも知れません.その点サンハヤトのは何も考えなくても失敗しません.

Step.2 感光
上のステップで作った版下を感光基板に乗せ,クランプにはさみライトボックスを乗せて感光します.
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上はクランプ,下はライトボックスです.
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ちなみにライトボックスを買うと,はがきサイズのガラス板がついているので,ずれないように気をつけて使えば,実はクランプは買わなくても大丈夫です.これらはいずれも基板サイズが 100mm×150mm までしか対応しませんので,もっと大きな基板を起こす場合は大きなライトボックスが必要になります.また市販の紫外線灯を使用する場合は,露光プロファイル(感光させる時間)が感光基板に付属のパターンとは異なるので,注意が必要です.

Step.3 現像
感光させた基板を現像します.(下は現像液の粉末)
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粉の状態では保ちますが,溶かしてしまうと弱くなるのが早いので,私の場合はコペット(200mLの小さなペットボトル)に密封しています.何枚も現像して黒くなるまで使えますが,それほど高いものでもないので,次に使う予定がずっと先なら捨てたほうがよい思います.私は液体のではなく,粉末のほうを愛用しています(スペースの問題).バットで現像して,終了したらペットボトルに戻します.

Step.4 エッチング
よいエッチングに必要なのは温度と攪拌です.
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このエッチング槽に 1.5L 程度エッチング液を入れます.エッチング液は基板用だと 1L で3000円近くしますが,銅版画用であれば 2L でも 1400円位です.これでもまったく問題なくきれいにエッチングできます.ちなみに中和剤も画材屋で安く買えます.エッチングの温度は私の場合はいらちなので40℃にしています(笑).専用の投げ込みヒータを使用しますと便利です.
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攪拌はエッチング槽についていた金魚ブクブクを使います.ちなみにこれにはスイッチがないので,まさに金魚ブクブクそのものですね.苦笑
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付属の透明チューブをエッチング槽の脇についている空気の入り口に差し込むと,下から泡がでてくるようになっています.時間は適当ですが,たまに引き上げて見て終了時間を判断します.その際には金魚ブクブクのスイッチを切っておかないと,エッチング液がはねるので気をつけましょう.

ちなみに片付けするときは,くれぐれもエッチング液が服に飛ばないように注意します.着くと絶対に落ちないし,服もダメになります.またエッチング廃液は有害ですので,量的にわずかなちょっとした水洗水や用具に着いたものは消石灰を溶かした水をかけて混ぜながら大量の水で希釈して流します.原液がシンクに着いたままになると腐食したりしますので気をつけます.寿命が来たエッチング液は専門の業者に引き渡すのがベストです.

Step.5 カット・穿孔
基板は工作用のオルファカッターでちまちま切ってもいいのですが,ガラエポとかは面倒ですし,専用のカッターが楽です.
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けど,値段が値段だけにプライオリティは低いかな?穿孔はボール盤で行います.
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ミニドリルでもいいですが,小型でもボール盤を使う方が圧倒的に楽です.最近多い安モノでもそれなりには使えるので,一つ用意すると他にも使えますし必携かと.刃は半月針の0.8mmがいいですが,別に普通のでも超硬なら大丈夫です.普通のハイス鋼だとガラエポにちょっと使うとすぐにダメになります.

というわけで小さな感光基板を作るのに必要な用具をまとめますと....(価格は定価で参考まで)

インクジェットフィルムA4-3枚 1848円
ライトボックス(BOX-S1000) 9450円
クランプPKC-200  2258円(ライトボックスにもついているようなガラス板でもよい)
現像液粉末 DP-10 147円
現像液を入れるボトル 0円(ペットボトルを使用)
バット(BUT-1) 578円(基板が入るサイズのタッパーでもOK)
エッチング槽(ES-10) 7854円
ヒータ(KTS-200) 9125円(温度設定できるので温度計は要らない)
エッチング液(画材屋さんで 2L 1400円位)
中和剤(消石灰.画材屋さんで一袋350円位)
漏斗(液体を移すときに使用.100円ショップのでOK)

とまあ,こんなところでしょうか.もちろん流用可能なものもあって,例えばヒータとかは熱帯魚用(ただし35℃くらいまでしかあげられないと思う)のでもいいでしょう.そのほかに基板が出来てから穿孔したり切断する道具も要りますが,これはエッチングの枠を超えますので割愛.
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Commented by BWT at 2010-12-14 23:52 x
うちとおなじセットですね。
ヒーターは熱帯魚用の安価な奴を改造、というか中の半固定を回して42℃位まで上がるようにして使ってます。ダイヤルメモリは校正しました。
私もイラチなので40℃です。夏ならヒーター無しでもシャキっといけますけどね。冬はヒーター無しでは綺麗に仕上がりません。

最近、やってないなー。
Commented by jq1ocr at 2010-12-15 10:15
もっと大きなサイズが焼けるのもありますが,自宅で使うならこれですよね.
Commented by BWT at 2010-12-15 20:07 x
まあ、自宅でプリント基板製造しているってのもアレですが。(笑)
ブクブク層は便利です。
Commented by BWT at 2010-12-15 20:07 x
さっきの、私。
by jq1ocr | 2010-12-12 08:50 | マイコン・電子工作 | Comments(4)