【危険物取扱者】乙種取得まとめ
2013年 02月 07日
(1)危険物取扱者とは
一定量以上の法定危険物を貯蔵,取扱いする施設には危険物取扱者をおかなければなりませんが,そのような業務に就くために必要な資格です.例としては化学工場,ガソリンスタンドなどがあります.
(2)受験動機
私の仕事とはほぼ関係のない資格ですが,自己啓発(というと格好良いが,実際はほとんど趣味)のため毎年資格試験(主に業務独占資格)を受けることにしています.ただし,仕事に関係ない,いわば遊びでとる資格に潤沢な勉強時間を確保できるはずも根性もないので,受験資格の条件は数時間,長くても前日一日の勉強で合格点に達するものとしています.危険物取扱者,特に乙種は全6類と分類が細かく分かれており,一回の勉強量が少なくて済むため,特に資格取得を趣味としている人たちは大体持っている資格ではないでしょうか.
(3)受験資格
危険物取扱者には三種あり,上から甲種,乙種,丙種となっています.甲種は最上位で全ての危険物を扱うことができますが,基本的には大学で化学系をとっていないと受験資格がありません(ただし乙種のうち指定された4類をもっていたり,実務経験があれば受験資格がある).これに対し,乙種と丙種は受験資格に制限はありません.そこで化学系ではない私は乙・丙からとることになります.ただし丙種はフルサービスのガソリンスタンドなどで用途がありますが,あくまでも乙種第4類のサブセット的な扱いなので,私としては枠を埋める以上の受験動機がなかったため受けませんでした.
(4)取得の順番(東京の場合)
私には甲種受験資格がなかったので,乙種を取るしかないのですが,どうせならと乙種全類を取得するとき,免許の交付日を上から順番になるようにと画策しました.また最初の試験は1類(第1類という意味ではなく一種類ということ)しか受けられないので,順当に第1類を最初に受験しました.試験は
- 危険物に関する法令
- 基礎物理学と基礎化学
- 危険物の性質と火災予防,消火の方法(性消)
(5)勉強方法
本屋に行くとたくさんの本がありますが,単に資格が取れれば良いというのであれば無駄な勉強をする必要は無いので,買うのは1冊にしましょう.乙種第4類は受験者が多いので,この類に絞った本もありますが,2科目は他類と共通なわけですし,全類受けるつもりなら残り1科目(性消)のために第4類と他類を分ける意味はありません.そこで私はこの本を使うことにしました.
(5-1)第1類
最初の試験だったので全科目受験です.もちろん性消は第1類のところだけを読みます.結果としては合計2時間程度の勉強時間で,余裕とは言いませんが,合格することが出来ました.特に「基礎物理学と基礎化学」は高校で化学や物理をやっていれば難しい問題はありません.しかし,履修していなかった方なら勉強時間はもっと余裕を見た方がいいと思います.
(5-2)第2類,第3類
この本で読んだ問題は性消の各類共通16問と,第2類が12問,第3類が18問で計たったの46問です.勉強時間はあわせて30分くらいだったでしょうか.流石に読んだ問題が少なすぎて,第2類の方には見たことのない物質がいくつか出ていましたが,なんとか合格ラインには達したようで,両類とも合格しました.
(5-3)第4類
この本の性消第4類の問題は他類より問題数が多いのですが,それは試験回数が多いためと考えられます.それでも1時間,通しで2回読めました.おかげさまで分からない問題は1題もありませんでした.
(5-4)第5類,第6類
30分もあれば読み切ってしまう問題数.第6類にそれほど危機感はありませんでした.ただし第5類については本に載っていない「セルロイド」が複数出て失敗しました.もともと余裕を持って受かるような本ではないので,こういう出し方をされると6割に達しない可能性があるわけです.そのあとネットで調べるとセルロイドに関する話題が結構あったので,再戦前にセルロイドの物性をネットで調べたうえで受験しました.するとなんとセルロイドに関する出題がまたあり,今度は助かりました.
(5-5)まとめ
第5類に関して,セルロイド自体は新しい物質ではありませんが,何か事故でも起きたのでしょうかね?近年出題が頻発して,問題集の方がついてきてない感じでしょうか.ともあれ,前に示した問題集に加えて,セルロイドの物性(保管や消火方法など)を調べておくことで,現時点では全類合格点に達するのではないかと思いました.
(6)申請について
受験申請はオンライン(電子申請)でも出来て,決済が PayEasy で出来て安く済むのですが,2類同時受験する場合は従来通り郵送で申請しなければなりません.申請用紙は試験場や消防署でもらえます.試験手数料は1類につき 3400円で,科目免除がある場合でも値段は変わりません.試験の時に免状交付申請書がもらえ,手数料は1類に付き 2800円です.同時に2類申請した場合でもディスカウントはありませんが,発送封筒(420円切手貼付.ただしセンターで直接申請の場合は不要)と返送封筒(380円切手貼付)は一つでOK.合格後の免状交付の際には申請期間や交付日が決まっていますが,合格通知を受けた取った後申請せずに期間が過ぎた場合でも,少し日数はかかることがあるようですが免状は交付されます.
(7)フルビット?フルカバー?
趣味で受ける方はどちらかを目指すと思います.フルビットにするならとにかく受ければ良いのですが,こんなすごい方もいらっしゃいます.私も最初はこんなことを考えていたのですがあっけなくあきらめました.なおフルカバーなら,化学系卒なら甲種だけを受ければ良いわけですが,そうでない場合は,乙種のうち第3類と第5類,そして第1類か第6類のいずれかと第2類か第4類のいずれかの合計4類を取得すれば,甲種の受験資格が生じます.そこで甲種を取れば乙種に残類があっても当然フルカバーになります.ただ,そこまでやると全スロット埋めたくなるのが性ですよね.笑
ちなみに乙種の全類を取得すれば,甲種と同様,全ての危険物を取り扱いできるわけですが,他の資格の受験時に甲種でないと科目免除にならなかったりするものもあるので,完全に等価とは言えません.仕事の資格ならここで終わりにするところですが,趣味ですし,来年度以降検討しようと思います.(【追記】結局とりました.笑)
【追記】最後に手にする免状は一枚ですが乙で6類ありますから,考えてみればそれだけでざっと4万円かかるのですねぇ.それほどの厚みは感じませんが...計算しちゃいけませんね〜.苦笑
【追記2】乙種を受験する順番を決めるために読んでおられる方がいらっしゃるようですが,正直どんな順番でもあまり変わらないと思います.順番にはこだわらず単に全類とろうと思っていて,東京で受験されるのであれば,第4類が単独受験しかできないのと,受験機会も多いので,スケジュール次第ではお勧めします.他の地方では受験できるパターンが違うので,お勧めパターンは特にありませんが,甲種もとるつもりの最小限なら,1235かなと思います.4を抜くことで甲種のためという意図を示すのです.笑 あと言うまでもないことですが,門外漢であればなるべく短期間に連続して受験した方が効率が良いでしょう.といっても,東京で全類とるには早くても半年くらいかかってしまうと思いますが,行脚するのも楽しいですね.