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米国ハムの増加を横目に見る

日本のアマチュア無線人口は1995年に136万局に達し,世界最大のハム王国でしたが,それから減少に転じて幾星霜,今では43万局程度とピーク時の3分の1くらいに減っています.

米国でも一時減少しましたが,ここ6年間は増加を続けており,2013年には71万局を超えています.今月号の QST には以下のようなグラフが掲載されていました.
米国ハムの増加を横目に見る_d0106518_177396.png
(縦も横も軸がちょっと変ですが,心の目で見てみます.hi)これを見ると米国でも2007年までは4年ほど減少していたわけですが,2007年からは急激に増加しています.これはこの年にモールスコードの試験がなくなったことが影響していると考えられますが,日本でも現在音響受信は課せられていないのにも関わらず総数では減少が続いているので,それだけが原因ではないでしょう.

米国はクラス分けも変更になったので一概には言えませんが,モールス試験がなくなったことで Amateur Extra(日本の1アマ相当)の伸び率が他のクラスと比べダントツで過去10年で27%以上だそうです.でも実は日本でも大体同じくらい1アマは増えているのです.ところが前述の通り総数では日本は減少,米国は増加ですから,他に原因があると考えられます.例えばアマチュア無線の魅力に触れるチャンスの多寡もあるのかな?と思いました.あとは免許にかかる費用の違いもあるでしょうね.日本では従事者免許をとるまで7000円以上かかり,さらに開局費用も合わせれば一万円を下ることはありません.一方米国では従事者免許と無線局免許が分かれておらず,試験費用に無線局免許発行まで含まれて $15(1500円くらい)です.子供がレモネードを売って得た程度のお小遣いで挑戦することができるのです.もちろんこれは試験がボランティアによって行われているとか,いろいろ国情の違いもあるでしょうが,ほかにたくさん楽しい遊びがありそうな現代に子供達がアマチュア無線にどれだけのリソースが割けるかということを考えつつ,日本のアマチュア無線衰退の原因と対策を考えていく必要がありそうですね.
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by jq1ocr | 2014-02-21 21:10 | 徒然話 | Comments(0)