鉛入りを推奨
2017年 09月 16日
「高性能はんだ」と書かれているので,つい買ってしまう人がいるかもしれませんが,ちょっと待った!
もちろん仕事などで必要があるなら鉛フリーを使うしかありませんから,このような製品を選ぶのはわかります.でもアマチュアの電子工作で鉛入りを使ってはいけないという法はありません.鉛自体はとても優れた物性を持っていまして,はんだも鉛入りの方が融点が低く,ぬれ性も高いし使いやすいのです.ですから,アマチュアの工作には鉛入りをおすすめします.
「作ってみたけどおかしいから見てくれ」と言われたもので,鉛フリーが使われていたら,今までの経験では,ほぼ確実に半田付け不良が動作不良の原因です.たぶん作った人も初心者というほどではなく,鉛フリーになれていなかっただけなのですが,それくらい扱いは違うので気をつけなければならないのです.
簡単な違いはまず融点の差です.だいたい30度くらいは違いますから,鉛入りと同じように作業するとまず加熱不足になります.ただでさえ鉛の入っていない半田は濡れ性が低いのに,加熱不足でさらに濡れなくなって接触不良が起きます.だからといって温度設定をむやみにあげると,今度はフラックスの活性が失われます.
あくまでも個人的な見解ではありますが,アマチュアの工作で鉛フリーを使う利点は全くないと思います.
ではどれがおすすめかというと,これですね.
鉄板ともいえる KR-19RMA です.作業性がよくて値段もお手頃.太さはワークと小手先によって変わりますが,1608程度のSMDから,小型のリード部品くらいだと太めのB型を使うので 0.8mm がいいかなと思います.SMD をやらないなら 1mm の方がよさそうです.普段スルーホールな私は 0.65mm は繰り出しが増えるので普段使いませんが,1005 以下の SMD に I 型とかだといいかもしれませんね.