FCC 免許の取り方
2008年 01月 24日
次いで,試験がいつどこで行われるか確認します.例えば東京地区だと ARRL/VEC Tokyo Team が時々試験を主催しています.他の地域としては,群馬,宮城,愛知などに VE Team があるそうです.上記 Tokyo Team のページにリンクがあるので確認してみてください.現在のところ,次回の東京の予定は告知されていませんが,先日聞いた話だと春くらいにやるかも,ということでした.
受験書類には FCC Registration Number (FRN) という ID 番号を取得する必要がありますが,これは,FCC/ULSのページから FRN Registration を選んで手続きをします.無料ですが,必要な ID なので,必ず事前に取得しなければなりません.
試験は walk-in allowed (事前連絡無しで飛び込み受験可能)な場合もありますが,書類の準備の関係もあるので,事前に Team の連絡先の方に連絡しておくのがよいです.ちなみに No walk-ins というのは飛び込み受験不可という意味です.会場設営などにも関係するので,walk-in OK でも是非連絡する事をお勧めします.万が一会場がいっぱいの場合は,たとえ walk-in allowed であっても予約している人が優先になるので,受けられない可能性もあります.
試験料は今年(2008年)は $14 (日本円で支払う場合は 1700円程度)です.規定では会場費などの関係で料金が違う Team があってもよいはずなのですが,ちょっと調べたところではみんな同じでした.ちなみに差があったとしてもそれほど大きな違いはない(最高で$4まで)と思います.また Team で決まっている受験料は一年間同じ金額(ただしUSDでなので,日本円ではレートで変わることもある)になっています.この試験料は試験会場で受付をするときに支払います.
試験は4択問題で,全て Question Pool (以下 QP と呼ぶ)と呼ばれる問題集から出題されます.そして,この QP は公開されており,例えば,ARRL/VEC Tokyo Team のページからリンクが張られています.これをダウンロードして勉強しましょう.初級の Technician は最初に受験する Element 2 に合格すれば得られます,また General は Element 2 に加え,Element 3 にも合格すれば得られ,最上級の Amateur Extra は Element 2, 3, 4 の全てに合格すると得られます.なお不合格になった場合は再度試験料を支払う事で,その Element から受け直す事が出来ますが,合格した場合は追加料金なしで次の Element が受けられます.要するに不合格にならなければ,Extra まで一気に$14でとれてしまうわけです.(Element 1 はモールスの試験ですが,現在は全てのクラスでモールスは課せられていないので,Element 1 の試験はありません.)
余談ですが,このように一気に一日で Extra まで受けて合格する事を One Day Extra というらしいです.実際は一回くらいは再受験できるので,再受験無しで受かったなら,One Day Straight Extra と言ってもいいんじゃないかと思います.(【追記】あくまでも日本での表現です.英語的には「その日だけ Extra」みたいな意味になるかと思います.))
勉強は先程紹介したように各 Element の QP をダウンロードして(そしてプリントして)勉強すればよいのです.Element 2 と 3 は 400 題程度,Element 4 は 800 題程度あります.英語にそれほど問題がなく,無線工学の知識もある方でしたら,朝から晩まで勉強すれば一日で読める量ではありますが,英語が得意でない場合は,問題に使われている英語がそれほど難しくないことをふまえても,読むだけでかなり時間がかかるでしょう.一日では難しいと思います.少し勉強してみて,自分なりのペースを把握して学習計画を立てるべきです.ちなみに Element 2 はさすがに簡単なので早く勉強が進みますが,Element 4 は難しくなるので,勉強に時間がかかる事も把握しておきましょう.
ちなみに QP を日本語に翻訳してあるサイトもあるそうなのですが,英語に問題がないなら英語のオリジナルの QP で勉強したほうが絶対に良いです.なぜならば,試験はあくまで英語であり,日本語でいくら勉強しても,問題の英語とその日本語が結びつかなければ意味がありません.対応を覚える手間を考えれば,英語のまま覚えたほうが無駄がありません.とはいえ,英語が苦手な場合は,日本語版と英語版を並べて対応を確認しながら勉強すればよいでしょう.ただし時間はかかりますから,学習計画も試験ぎりぎりにならないように立てなければなりません.
試験日には VE Team に指定された書類や文房具,Photo ID(通常はパスポートや国際運転免許など)を持参します.最初に受付を済ませ,その後 VE(試験官) から Element 2 の試験問題用紙,解答用紙と計算用紙(ただの白紙)が配られます.予め注意があると思いますが,問題用紙は再利用するため,書き込んではいけません.また計算用紙を含めて,全ての用紙が回収されます.試験時間は無制限(といっても,会場の都合があるので限度はある.正確に言うと決まってないだけ)ですが,Element 2 だけ受けるならともかく,次いで Element 3, 4 と受けるなら,さっさと終わらせてしまいましょう.Element 2, 3 は 35 問ですから,それぞれ三十分もあれば終わると思います.解答が終わって完成したと思ったら,VE を呼んで回収してもらいます.VE はその場で採点を行いますが,ちょっと待つので,その間にトイレとかにいかせてもらいましょう.帰ってくる頃には採点が終わっていて,合格したら「おめでとうございます.次の Element を受けますか?」と聞いてきます.また不合格なら再受験をするか聞かれて,するなら再受験の手続きをとるわけです.場合によって違いますが,再試験を行う場合の試験問題は当然違いますから,再試験用の問題のセットをいくつ VE Team が持っているかによって,再試験の回数が限定されます.私が受けたときは2セット持っているとのことでしたから,一回再受験できる状態だったようです.Element 3 が受かったら,次は Element 4 ですが,これだけ問題が50問となります.ちょっと考えたりすると30分以上,普通は1時間弱かかるそうなので,それまでの Element に時間をかけすぎると,会場の終了時間とのかねあいで受けられない人もいるかも知れません.気をつけましょう.
さて,最終的に自分がここまで受けるという目標があれば,なにも無理して Element 4 まで受ける必要はありません.Element 2 で止めても構わないのです.とにかく,受かったところまででクラスが決まります.試験終了を申し出ると,その時点までの合格証明書(CSCE)が発行されます.VE Team は合格した事を VEC に報告し,そこから FCC に受験者の情報が転送されます.自分の情報は FCC の Universal Licensing System (ULS)に掲載されますので,ここを見ていれば自分のコールサインが分かります.私の場合は試験から10日後にコールサインが交付(grant)されました.免許本体は登録した米国内の住所に送られますが,運用自体は ULS に載った時点から可能で,手元に免許証がある必要はありません.届くのは ULS に載ってから(私の場合は) 4 日後でした.
コールサインのエリアは登録した米国内の住所に基づいて発給されます.私の場合は New York なので,2エリアで AB2YD というコールでした.(2エリアは New York 州と New Jersey 州)このように Extra ですと,A*2** というコールサインがシーケンシャルに割り当てられます(Systematic Call Signという)が,Vanity といって,空いていれば希望するコールサインがとれる制度があり,Extra しか選べないコールとして,2x1 または 1x2 というものがあります.例えば 2x1 なら,WA1A ,1x2なら W1AB といった具合です.また Vanity の場合はエリア番号は住所と関係ないものが選べます.しかし私は2が気に入っています.どんなコールが空いているかといった情報は例えばAE7Qなどで調べる事が出来ます.ただこれを見ても分かりますが 1x2 はあまり選択肢がありませんね.具体的には今日現在で 2 エリアだと,2x1 が 157 個あるのに,1x2 は 12 個しか空いていません.特に W2** は皆無です.やっぱり米国人でもアメリカといえば,W だってイメージがあるのかも知れませんね.hi
さて,AE7Q のページを見ると,Vanity の処理は結構時間がかかるようです.オンラインで処理していますが,申し込んでから 18-20 日程度かかる模様です.私も現在 N2QP を申し込んでいますが,まだ grant されていません.ただし,過去に割当のない(記録のない)コールサインを希望しており,同じ日に同じコールサインを希望した他の人はいないので,ほぼ確実にこれが割り当てられると思います.その辺の詳しい話も AE7Q のページを見ると分かりますので,興味のある方はのぞいてみては如何でしょうか.
楽しい&勉強になる記事で拝見させていただいてます。
3/8に札幌にてFCCライセンスを受験します。(めざせVE?!)
これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
de JM3EHG / W3EHG 堀内
私も VE のみなさんにお世話になったので,VE として活動することで恩返しをしたいと思ったのが志願理由でした.堀内さんは現在 Tech でしょうか.となると,今度は Element 3 and/or 4 をお受験でしょうね.是非 VE のお勉強もがんばってください.私は VE manual 読むのに Element 4 の勉強より時間がかかりました.
ちなみに Seattle に伯母が住んでいますので, Bellevue は遊びに行った事があります.
また何かあったらコメントをお寄せください!
なかなか800問は答えますね。疲れます・・。
そうですか、シアトルにいらっしゃるとのこと、ベルビューはまだ行ったことがないんですね。(今年こそはデイトンと絡めていきたいです)