N型コネクタの名前の由来
2008年 02月 25日
その話は後日においておくとしまして,N 型コネクタの N ってなんでしょう.無線機屋でバイトをしていた時は「ナンシー」と呼んでいました.これは単に phonetic なのですが,これは由来からは当たらずとも遠からずだったりするのです.
Agilent の方の話によると,最も多い噂は Navy らしいのですが,私の周りでこの説を唱えている人はいません.どうも米国ではそういう話になっているらしいです.しかし,実際は開発者の名前が由来なのです.
N 型コネクタは太平洋戦争中にレーダに使用する為に Bell 研の Paul Neill 氏の開発チームが作ったものなのですが,彼らはマイクロ波の専門家ではなかった為,GHzオーダでの性能が出ず,改良されて現在の形になったそうです.実際は N 型コネクタにも種類があり,Agilent の Julius Botka 氏によって改良されたスロットレスタイプの N 型コネクタはかなりの高性能と言われています.現に Agilent の測定器に使われている N 型コネクタはこのタイプです.
ちなみにアマチュアでは特性インピーダンスが 50 Ωのシステムを使うことが多いのですが,75 Ωの N 型コネクタというのもあります.この場合は中心導体が細くなるのですが,外見は似ている為,間違って75Ωのメスに50Ωのオスを接続すると破損してしまいます.まあ 50 Ω で統一していれば大丈夫ですが.....
なお SMA でも安いコネクタでは精度が出ていないものもあり,そういうコネクタを高価な測定器に勘合させようとすると破損することもあるのですが,破損になかなか気付かないこともあるので,コネクタはけちってはいけない,そして扱いに注意しなければならない部品の一つです.
私は、無線機屋さん関係では、N-Pコネクタを「ナンシーピーター」と呼ぶようにしています。これを「ノベンバーパパ」と発音しても、「え?」となってしまいます。そこで、素朴な疑問。アメリカでは、どんな発音をしているのでしょうか。気になっています。