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by jq1ocr

九人の乙女

日本は敗戦を認めたにも関わらず,南樺太に侵攻したソ連軍は,白旗を揚げて投降した日本軍の軍使をなんと射殺,更に多数の民間人を手当たり次第に虐殺していきました.島民を安全に北海道に脱出させるために,最後まで通信のために残った真岡電話局の交換手(*)たちはいよいよソ連軍に包囲され自決するしかなかったのです.8/20のことでした.彼女たちは「九人の乙女」とよばれ,沖縄戦のしらゆり部隊と同じように,悲惨な戦争の象徴となっています.今では稚内の樺太を望む岡の上にある氷雪の門の隣に碑がたっています.
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氷雪の門

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九人の乙女の碑

この碑には「皆さんこれが最後です.さようなら さようなら」と書かれており,読むだけで非常に心が痛みます.私がソ連という国が大嫌いな最大な理由がこの侵攻です.まあソ連が汚い国なのは分かってますよ.正面切って戦ったら負けるから,既に日本が確実に負けると分かってから侵攻し,どさくさ紛れに北方領土をふんだくろうという魂胆でしょう.そこまではぎりぎりあり得ても,白旗を揚げている人,それも軍使を射殺したり,民間人を残虐な方法で殺害したりするのは,人間ではあり得ない所業ですよね.

実はこの九人のうちの一人は私の大叔母です.祖母も電話交換手をしていましたから,事情は概ね分かっていたようです.このことを題材にして書かれた本がかなりいい加減(ストーリーも創作が多く入っていたり,写真の人名を間違っていたり,結構指摘しないといけない部分が多かったそうです)らしいのですが,祖母も3年ほど前に亡くなりました.正して欲しかったけど,祖母も疲れてしまったのだと思います.

さてこの話が日本テレビでドラマになって放送されるので,是非皆さん見てください.
日本テレビ開局55周年記念特別ドラマ
霧の火 -樺太・真岡郵便局に散った9人の乙女たち-
2008年8月25日(月)夜9:00-11:18放送


(*)当時の電話は自動交換ではありませんから,交換手がいないと連絡が遮断されてしまいます.多くの人々が無事に避難するためにはどうしても通信回線が必要だったのです.なお,写真は wikipedia より引用させていただいております.
Commented by ron at 2008-08-16 10:04 x
是非観ます。
このような方たちの犠牲を忘れてはいけませんね?
私は昭和18年生まれですから、戦争の記憶ははっきりとは残っていないのですが、防空壕で良く泣いて母親を困らせたようです。合掌!
Commented by jq1ocr at 2008-08-16 12:03
父は樺太生まれなんですが,なんと ron さんと同じ歳なんですね〜.ソ連が侵攻してくるという噂があったので,祖母は父を連れて一足早く北海道に避難したのですが,当時独身で現職の電話主事補だった大叔母にとって,ソ連軍上陸にあたり,侵攻状況や住民への避難指示の伝達等の重要な業務を投げ捨てることは,公職に就く者としての矜持が許さなかったのでしょう.みんな電話交換手の責務の重さは完全に理解し,これに殉じたものと思います.
Commented by ron at 2008-08-26 07:59 x
昨夜、しっかり観ました。
終戦後にも係わらず悲惨な事件があったことに心が痛みます。
このような事件は風化させてはいけないですね?

ただドラマの方は演出が少し雑で、特にドキュメンタリー化の部分?が今一でした。
もっと事実を掘り下げたストーリーが欲しかったなー?と思いました。
Commented by jq1ocr at 2008-08-30 09:29
出先でちょっとしか見れませんでしたけど,ちょっといただけなかった感じですね.録画してあるので,もう一度全部見てみるつもりですが,一部分だけ見ても「?」マーク点灯しました.作り込みが足りないですね.祖母が見ていたら激怒したんじゃないかな〜.苦笑
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by jq1ocr | 2008-08-16 02:26 | 徒然話 | Comments(4)