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by jq1ocr

マイクロストリップ線路のインピーダンス算出

インピーダンスを計算するにはいろんなツールがありまして,これらを使って計算しますと,例えば,サンハヤトの FR-4 両面基板だと w = 3mm 位にしておけば,Z0=50Ωくらいになるとされています.このことは教科書式でスポット計算して確認しています.しかし,ちょっとした用途があって,任意のインピーダンスを得るためのグラフを描きたくて,プログラムを書いて計算することにしました.

ここでいつも私がアンテナ関係の設計に使っている本を紹介します.
d0106518_15384372.jpg
Antenna Engineering Handbook 3rd Edition
by Richard C. Johnson, McGraw-Hill

これを見ますと,よく使われている簡略式ではなく,もっとながーい式が載っています.今回の用途では簡易でもいいのですが,将来的なことを考えると,しっかりした算出根拠があった方がいいというのもあります.(こういう本に載っている式なら,論文化したときに引用できるけど,例えば CQ 誌に載っている式の引用はできないのです.ましてやオンラインのプライベート計算ツールは論外.)

その式を使ってプログラムを書いて計算してみたのですが,数値が変です.プログラムは素人なので,一応スポットで電卓叩いて計算してみたのですが,それでも同じくらいの変な数値が出てきます.具体的には最初にあげた例で550Ωほどになってしまいました.うーん,どこがおかしいのかな〜.
【追記】Antenna Handbook: Theory, Applications, and Design (by Y. T. Lo & S.W. Lee) に載っていた quasi-TEM の公式から解く方法で計算したところ,こんな感じになりました.
d0106518_16533894.jpg
characteristic impedance calculated from quasi-TEM formulas

なんかだいぶ近づいた気がしますね.hi
【参考】Antenna Engineering Handbook に載っている計算式は以下の通りです.なお,検算のためのパラメータは次の通りとします.
h : 基板の厚さ (1.6mm)
W : 線路の幅 (3mm)
t : 線路の厚さ (35μm)
εr : 基板の比誘電率(4.6)
まず wide strip すなわち W/h>1 の場合の特性インピーダンス Z0 は以下の式で表現できます.
d0106518_1844880.jpg
ここで,W/h>1/2πのとき,
d0106518_18452720.jpg
また
d0106518_18454870.jpg
そして,W/h>1のとき
d0106518_18465197.jpg
です.これらを
d0106518_1847799.jpg
に代入し εre を求め,最初の式に代入すれば,特性インピーダンスが求められます.検算用のパラメータを入れると多分560Ωくらいになるのではないかと思うのですが,もう一つの計算方法(または世間で一般に言われている結果である約50Ω)とはだいぶ値が異なりますね.うーん,どこをどう間違っているのかな〜.
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by jq1ocr | 2008-12-10 22:55 | 徒然話 | Comments(0)