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by jq1ocr

電磁気学の本を立ち読みする

もちろん仕事柄何十冊もの電磁気学の本を持ってはいますが,古いものも多いので,新しいのはどうなっているのかなぁ,使える教科書はあるかなぁと探しに行ったのです.すると,思ったより E-B対応の本って多いんですね.

電磁気学というのは,名前の通り電場と磁場に関する学問で物理学の一分野を成しています.昔は電場と磁場の対称性から,いわゆるE-H対応というのが多かったんですね.こういう対応とると,式もキレイに対称性を持つので教えるのも教わるのも便利だったのです.

ところでディラック(Paul Dirac)という物理学者は実在が認められている単電荷に対し,単磁荷(モノポール)の存在を理論的に示しました.もちろんモノポールを探し続けました.しかし,現在に至るまでモノポールは発見されず,ディラック自身も晩年は存在に懐疑的な発言をするなど,実在しないのではないかという方が多数派を占めています.

そして現在では「単磁荷は存在せず,磁場は電流から作られる」ということが電磁気学でも常識になっています.もちろん単磁荷の存在を仮定したままの電磁気学が成立しているのは構わないと私は思いますが,それを良しとしない場合は,いわゆるE-B対応をとることになります.現に,今の大学(工学)での電磁気学はE-B対応の方がメジャーになっていると思います.そして,この対応をとると数式が微妙に電場と磁場で対称性が崩れるのです.言ってることは同じなので,それはそれで構わないのですが,しなくていい苦労してる(させてる)んじゃないかと思っちゃうこともあります.一般的な工学ではその差異は利いてきませんからね.でも世の中の趨勢がE-B対応なら,それを使うのが良心的なのかも知れません.うーん,難しい.

余談ですが,いくつかの初学者向けの本の冒頭にこんな事が書いてありました.「物理学と数学は違うものだが,数学的表現でつまづく人が多い(要旨)」確かにそうだなと思います.しかし,そう書いてあるのに,その本を見ていくと大した前置きもしないで,いきなり式がバリバリ出てきたりしています.あれ?数学的表現を避けるという意味じゃなくて,数学表現は不可避だから別に勉強しておくように,という意味だったのかな.苦笑

例えば電磁気学では微積分は必須で,それを演算子の形で rot, div, grad 等で表現したものを多用することになります.それがもっとも平易な説明だからなのですが,理工系の人気が凋落しているため,工学部なのにも関わらず数学の素養があまりない学生も多くなりつつあります.そうなると,そもそも微積分から始めないといけなくなってしまい,何の講義だか分からなくなりそうです.如何に数学的表現を回避しつつ,電磁気学を理解させるかと言うことも,そろそろ考えなければならないのでしょうかね.

しかし例えば,国語抜きの文学ってあるのかなぁ.あ,逆に事象の積み重ねで概念を理解させるというのもあるのか.....いずれにしても一筋縄ではいかないようで.....
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by jq1ocr | 2009-02-21 02:50 | 徒然話 | Comments(0)