ちょっと前のRFワールドを片付けついでに見てみたら受信感度測定の記事が載っていました.
一応アマチュア無線をかじっている身ですから,受信感度に興味はあります.しかし思い返せば個人的に測定した経験がありません.受信感度にはいくつかの測定方法がありまして,ひずみ計などを使ったりする方法が面白そうです.しかし手持ちの測定器で出来るのは NQ 法くらいのようです.NQ とは Noise Quieting ということで,要するに FM の場合は無入力ではザーという雑音が出て,無変調信号が入ると静かになるわけですけど,無線機への RF 入力レベルを0から少しづつ大きくしていき,雑音電圧が 20dB 減るときの信号強度を 20dB NQ というとのことなんですね.
この NQ 法に必要なのは SG,交流電圧計,それに音声出力のダミーロードです.前二つはありますが,スピーカーのダミーなんて持ってないので,とりあえず手持ち部品でそれらしく作ってみました.
だいたいの無線機のスピーカー出力は8Ωだと思うので,部品箱にあったメタルクラッドの 15Ω をパラにしています.これに切りっぱなしのイヤホンケーブルをつけています.SG の信号レベルは -120dBm までしか下げられないので,20dB のアッテネータを通し,
SG → 20dB ATT → Rig → dummy → ACV
と接続します.
SG OFF で無線機の音声信号(雑音)レベルが ACV のちょうど読みやすい値(ここでは 0dB)になるよう音量調整します.
次に SG からキャリアをいれて,そのレベルを上げていき,ACV の読みが -20dB になるときの SG の出力が求める感度という感じで測るとのこと.
今回手元の C401 を測ってみたところでは -119.8dBm となりました.無線機の電源が電池だからか分かりませんが若干 ACV にふらつきがあり,だいたいこのくらいという数字です.オーダーとして妥当なのか検算してみましょう.
まず C401 の取説には受信感度は -16dBμ (12dB SINAD) とありまして,そもそも測り方が SINAD と NQ は違いますし,ぱっと見ではこれが妥当なのかなんとも言えません.とりあえず単位を合わせると,-16dBμ は(計算間違いがなければ)-123dBm にあたると思われます.3dB ほどの差がありますけど,これが定義の違いなのか,測定が下手だったのか,はたまた測定器自体に起因するのかとかはなんとも言えません.まあこんな感じで測ってみました,というお話でした.ひずみ計が借りられたら,そのうち測ってみたいと思います.(それがあれば SINAD で測れるので,妥当性についてももう少し推測できそう)