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金銭上の利益のためだけでなく、専ら個人的な興味によって行う自己満足、通信及び技術的遊戯のための備忘的ブログです。


by jq1ocr
先日 20dB NQ 法で簡単な感度測定をやってみました.




今回はオーディオアナライザを借りてきたので,これで測ってみます.ひずみ率が測れるので,一般的な FM 機のスペック表記で採用されている SINAD 法での感度測定が可能になります.接続は前とあまり変わりません.交流電圧計をオーディオアナライザに変えただけです.

SG → ATT → Rig → Speaker Dummy → Audio Analyzer

で,SG は変調周波数 1kHz,周波数偏移 3.5kHz に設定しています.スピーカのダミーは,こういう風に組んであります.

【C401】受信感度を 12dB SINAD 法で測ってみる_d0106518_00170596.jpg

測定系を接続して稼働させますと,NQ 測定での交流電圧計の時もそうだったのですが,オーディオアナライザのひずみ率の表示も結構動きますので,大体このくらいかな?というレベルにします.

【C401】受信感度を 12dB SINAD 法で測ってみる_d0106518_00413458.jpg

約 25% です.動くけど dB 表示にも出来ます.

【C401】受信感度を 12dB SINAD 法で測ってみる_d0106518_00413447.jpg

結構ふらつくので,中央値が -12dB くらいになるところに追い込んでいきます.そのときの SG の出力は

【C401】受信感度を 12dB SINAD 法で測ってみる_d0106518_00413434.jpg

-102dBm ですが,20dB の ATT を入れているので,12dB SINAD 法による受信感度は -122dBm となります.カタログ値は -123dBm に相当すると思うので,ほぼ一緒ですね,また前回 20dB NQ 法での測定結果では -120dBm くらいとなりましたけど,こちらの本↓の p.59 には,20dB NQ よりも 12dB SINAD のほうが若干数字が良くなるとあるので,まあ妥当なのかな?と思いました.


逆に言えば,このくらいの差を気にしないのであれば,20dB NQ 法の方が簡単でいいってことになりますね.hi

# by jq1ocr | 2024-03-09 18:00 | 無線設備・レストア | Comments(0)

万年筆たけくらべ

職場で使っている Pelikan M800 をクリーニングのため持ち帰ってきたので,ついでに我が家の新入りさん(Monblanc, Parker)と並べてみましょう.長い順に左から

万年筆たけくらべ_d0106518_00393215.jpg

  1. Montblanc Meisterstück 149
  2. Pelikan M800
  3. Parker Duofold Centennial
  4. Aurora Optima
  5. Pelikan M710 Toledo

です.これを使用時,キャップポストするとこんな感じになります.

万年筆たけくらべ_d0106518_00393251.jpg

さきほどは3番手だった Parker が一番長くなりまして,順番は

  1. Parker Duofold Centennial
  2. Montblanc Meisterstück 149
  3. Pelikan M800
  4. Aurora Optima
  5. Pelikan M710 Toledo

となります.思ってはいましたが,Duofold はキャップポストが浅いですね.あとはキャップを2回転させないと着脱できないのも気になったポイントです.(Optima は1回転,Toledo は 3/4 回転)

私は万年筆を寝かせて使う傾向があり,また手も小さいほうではないので,キャップポストしても特に問題なく使えますが,人によってはモーメントが気になったりしそうなので,そういう場合はポストしないで使った方がいいかも知れませんね.

# by jq1ocr | 2024-03-08 18:00 | 文具(万年筆,インク等) | Comments(0)
ちょっと前のRFワールドを片付けついでに見てみたら受信感度測定の記事が載っていました.


一応アマチュア無線をかじっている身ですから,受信感度に興味はあります.しかし思い返せば個人的に測定した経験がありません.受信感度にはいくつかの測定方法がありまして,ひずみ計などを使ったりする方法が面白そうです.しかし手持ちの測定器で出来るのは NQ 法くらいのようです.NQ とは Noise Quieting ということで,要するに FM の場合は無入力ではザーという雑音が出て,無変調信号が入ると静かになるわけですけど,無線機への RF 入力レベルを0から少しづつ大きくしていき,雑音電圧が 20dB 減るときの信号強度を 20dB NQ というとのことなんですね.

この NQ 法に必要なのは SG,交流電圧計,それに音声出力のダミーロードです.前二つはありますが,スピーカーのダミーなんて持ってないので,とりあえず手持ち部品でそれらしく作ってみました.

【C401】受信感度を 20dB NQ 法で測ってみる_d0106518_00170596.jpg
だいたいの無線機のスピーカー出力は8Ωだと思うので,部品箱にあったメタルクラッドの 15Ω をパラにしています.これに切りっぱなしのイヤホンケーブルをつけています.SG の信号レベルは -120dBm までしか下げられないので,20dB のアッテネータを通し,

SG → 20dB ATT → Rig → dummy → ACV

と接続します.

【C401】受信感度を 20dB NQ 法で測ってみる_d0106518_00170554.jpg

SG OFF で無線機の音声信号(雑音)レベルが ACV のちょうど読みやすい値(ここでは 0dB)になるよう音量調整します.

【C401】受信感度を 20dB NQ 法で測ってみる_d0106518_00170568.jpg

次に SG からキャリアをいれて,そのレベルを上げていき,ACV の読みが -20dB になるときの SG の出力が求める感度という感じで測るとのこと.

今回手元の C401 を測ってみたところでは -119.8dBm となりました.無線機の電源が電池だからか分かりませんが若干 ACV にふらつきがあり,だいたいこのくらいという数字です.オーダーとして妥当なのか検算してみましょう.

まず C401 の取説には受信感度は -16dBμ (12dB SINAD) とありまして,そもそも測り方が SINAD と NQ は違いますし,ぱっと見ではこれが妥当なのかなんとも言えません.とりあえず単位を合わせると,-16dBμ は(計算間違いがなければ)-123dBm にあたると思われます.3dB ほどの差がありますけど,これが定義の違いなのか,測定が下手だったのか,はたまた測定器自体に起因するのかとかはなんとも言えません.まあこんな感じで測ってみました,というお話でした.ひずみ計が借りられたら,そのうち測ってみたいと思います.(それがあれば SINAD で測れるので,妥当性についてももう少し推測できそう)


# by jq1ocr | 2024-03-07 18:00 | 無線設備・レストア | Comments(0)

古典インクを自作する

先日日本橋三越にて行われたイベントでオリジナル古典インク作りを体験しました.

古典インクを自作する_d0106518_17002995.jpg

インク1本を自分で作って参加費が 5,500 円ということで,高いと思う人が多かったのか,すんなり予約できてラッキーでしたが,とても面白かったです.玄人はだしの人は別として,一般的な古典インクファンにはお勧めできる内容だったと思います.

ここでの古典インク作りは,用意されている8種類の染料を自由に調合し,それに鉄イオン源として硫酸鉄か木酢酸鉄のいずれかを混ぜて完成させます.天然ベースでいくならば木酢酸鉄がよいかも知れませんが,独特の匂いがして,書いた紙も,入れた万年筆もその匂いになってしまうということなので,私は日和って硫酸鉄にしちゃいました.染料自体の香りも活かせますからね.

準備されていた染料はこんな感じ.

古典インクを自作する_d0106518_17002849.jpg

上から

  1. 丁子
  2. 柿渋
  3. ヤシャブシ
  4. 紫檀
  5. ミロバラン
  6. ユーカリ
  7. ログウッド

これ以外に五倍子が準備されていました.私は染料としては紫檀,五倍子,ミロバランを混ぜました.最後に箱と瓶のラベルを作って貼っておしまい.

古典インクを自作する_d0106518_17002925.jpg

1時間半のイベントで時間がかかったのは染料を選んで割合を決める部分だったかと思います.ただ基本的には時間が経てば黒くなるインクですから,あまり頑張っても仕方ないかもと思って,私はあっけなく決めてしまいました.笑

今回使った染料は京都の田中直染料店が提供したもので,オンライン販売もしているそうです.でも自分で植物を煮出して作るところから始めるのはなかなか面白そうだと思いました.そしてその大変さを経験した結果,市販品を買うことになるんだろうなあ.笑


# by jq1ocr | 2024-03-06 18:00 | 文具(万年筆,インク等) | Comments(0)
書いた後で赤茶色というか,赤ワインというか,なかなか渋い色になるようなので,Duofold 用に買ってみました.もちろん没食子系です.


まずは pH を計ります.

【inkuiry】(28) プラチナ クラシックインク カシスブラック_d0106518_17452825.jpg

pH 1.3 ですからこのシリーズ同様酸性で,うちにあるインクの中で最も酸性が強いです.鉄イオンについては

【inkuiry】(28) プラチナ クラシックインク カシスブラック_d0106518_17452841.jpg

インク自体が赤いので分かりにくいのですけど,インクを吸い込む瞬間を見ながら反応を見ていたので,多分これは Positive(検出)です.で,没食子インクと判定.最後にカルテ.

【inkuiry】(28) プラチナ クラシックインク カシスブラック_d0106518_17383464.jpg

ペンは パーカー デュオフォールド センテニアル F で,紙はマルマン Mnemosyne です.これもかなり好みの色ですねぇ.以下にこれまでの結果をまとめておきます.

メーカー / インク名pH鉄イオン判定結果
プラチナ / Classic Ink Cassis Black1.3検出没食子
プラチナ / Classic Ink Sepia Black1.4検出没食子
プラチナ / ブルーブラック (cartridge)1.5検出没食子
プラチナ / Classic Ink Forest Black1.6検出没食子
Rohrer & Klingner / Salix1.7検出没食子
Rohrer & Klingner / Scabiosa1.7検出没食子
Lamy / Benitoite1.8検出没食子
Pelikan / Königsblau2.0酸性染料
J. Herbin / Bleu Myosotis2.3酸性染料
Montblanc / Black3.0弱酸性染料
Montblanc / Royal Blue3.7弱酸性染料
Pelikan / Edelstein Rouge Opéra4.1不明確弱酸性染料
Pelikan / Edelstein Olivine4.7不明確弱酸性染料
SKB / 石緑4.7未検査弱酸性染料
蘭泉墨研所 / 雪夜星影5.1未検査弱酸性染料
Faber-Castell / Electric Pink5.2不明確弱酸性染料
藍濃道具屋 / 浅葱5.3未検査弱酸性染料
SKB / 月季5.6未検査弱酸性染料
Journalize / Starry Night Deepspace Aurora6.4未検査中性染料
Herbin / Parfum Violette6.6中性染料
Herbin / Bleu des Profondeurs7.1未検査中性染料
De Atramentis / Frédéric Chopin7.1不明確中性染料
Pelikan / Edelstein Aventurine7.2中性染料
パイロット / ペチットワン ブルー (cartridge)8.1未検査弱塩基性染料
パイロット / 色彩雫 竹炭8.2未検査弱塩基性染料
Pelikan / Edelstein Ruby8.4未検査弱塩基性染料
パイロット / ブラウン (cartridge)8.5未検査弱塩基性染料
パイロット / 色彩雫 朝顔9.0弱塩基性染料


# by jq1ocr | 2024-03-05 18:00 | 文具(万年筆,インク等) | Comments(0)