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by jq1ocr

翡翠の予備選別

翡翠らしき石をいくつか拾ってきました.が,素人な我々には紛らわしい石はたくさんあり,判別はなかなか困難です.そこで鑑別はプロの友人に頼むことにしますが,数が多いと彼も大変なので,自分でできる判別方法で予め絶対違うというものは外しておくことにしました.

自分でも見られる方法というのは比重です.翡翠(硬玉)の比重は 3.2 - 3.4 程度ということで,翡翠探しをよくしている人は,慣れているので,他の石(普通は3より小さい)より重く感じるのですぐ分かるそうです.ただ経験の浅い我々だと「なんとなく重いかな」くらいしか分からず,ブラインドテストすると,結果が変わったりします.苦笑

比重は体積と質量から計算できますが,特に体積の測定は大変です.というのも,メスシリンダのようなものに水を張って測定するにしても,石の大きさを考えると,そこそこの大きさのメスシリンダを用意せざるを得ず,そうなると測定精度が出ないのです.具体的には,精度は例えば 10mL のメスシリンダなら,0.1mL 程度出るものの,石が十分入ることを考えると,それなりの大きさにしないといけないわけですし,石の大きさに合わせていくつも高価なメスシリンダを用意するのは現実的ではありません.

そこで家にある秤だけでなんとかする方法を用いましょう.下の図を見てください.
翡翠の予備選別_d0106518_11371393.jpg

(1)まず石が入る程度の大きさの軽い容器に水を入れ,秤に乗せます.これで風袋を計測します(tareを押す).
(2)ついで,石(質量を m とする)を細い糸に吊って水中に入れます.このとき全体が水中に入り,かつ底面には付かないようにします.すると,石の体積分の水の重さ( mw ) だけ浮力により石は軽くなります.すると秤からみたときは,この分( mw ) だけ重くなります.(実際には入れないときに tare を押しているので,表示されたこの数字 mw がそのまま体積に相当します)
(3)さらに沈めていき,底につけますと,糸の張力が0になります.この時の秤の表示は石自体の重さ( m )になります.
(4)結局これで体積と重さが分かったので, m / mw により比重を計算します.

うちには 2kg までのキッチン用の秤(1g刻み)と 20g までの宝石用の秤(確度0.002g)がありますが,この方法を用いる場合は,なるべく容器を小さくして宝石用の秤を使いたいわけです.しかし,石の大きさに合わせて容器を探してくると,プラスチック製の軽いカップを使ったとしても,どうしてもある程度の大きさ以上になると精度が出ません.半端な大きさのモノだと比重を計算するのに有効数字が一桁しか求められなかったりするので,万能ではありませんが,小さいモノと大きいモノはこの簡易な方法で求められます.

ちなみに当然ですが,この方法で求められる比重はあくまでも石全体としてのものなので注意しましょう.まあ翡翠の比重を測ろうとする人なら,自明でしょうけども....

さてうちで測ってみたのは5個くらいですが,この検査によって3つは比重が3に満たないことが分かりました.2つは 3.3 くらいありそうですので,これを鑑定してもらうことにしました.結果は後日.
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by jq1ocr | 2009-10-08 08:30 | 宝石研磨・鉱物 | Comments(0)