上級アマチュア無線技士国家試験科目変更について
2011年 04月 01日
みなさん上級アマチュア無線技士の国家試験から電気通信術(モールス信号欧文受信)が今年なくなる予定であることはご存じかと思いますが,冬以降に受験予定の方は英語の対策はどうされていますか?
もともと上級に高出力が許可されている理由は,遠距離(海外)との交信を安定して行う為に必要だから,というのはご存じですよね.海外との通信でより S/N が必要な電話では英会話が必須であるのに試験科目になく,S/N が要らない,すなわち電力が小さくできるモールスの試験を上級に課していることは矛盾していました.このことは WARC でも問題になっていて,特に英語を母国語とする国からは,パイルになったときの指定無視などは英語が分からない所為ではないかという指摘があり,ラバスタが多くを占めているモールスについては試験を廃止し,代わりに英語(英会話力)を問うことにするという結論になりました.ただし実施の方法についてはそれぞれの国に任されていますので,様々になる可能性(例えば TOEIC の点数で決める国もあるらしい)があります.
過日募集されていたパブコメではみなさんモールスのことだけ注目されていたようですが,英語科目に関するパブコメにはあまり触れられていませんでしたね.総務省の原案では「英会話を課す」となっていて,特に異論はなくこれが通ったようです.内容としては「口頭により適当に意思を表明するに足りる英会話」とされているので,これは現在「第一級海上特殊無線技士」の試験で行われている英会話(ヒアリング試験)とほぼ同じ内容となると思います.問題数は明らかにされていませんが,1海特と同じなら多分5題くらいで,放送される英文に対する解答を四者択一で選ぶ形となるでしょう.レベルは英検3級くらいだと推測されます.なおスピーチは現在英語が課されているいずれの無線従事者試験においても行われていませんので,アマチュアに課される可能性はないはずです.
私は英語は難関ではないと思いますがモールスは難しい,逆にモールスは得意でも英語が苦手な人は結構いると思います.夏の試験までは英語はありません(代わりに従来通りモールスはある)ので,駆け込み受験する人が多いことでしょう.ちなみにこのレベルの英語を勉強するなら,NHKの基礎英語2〜基礎英語3くらいがおすすめです.楽しみながら勉強したい,というむきには「テレビ リトル・チャロ2」あたりがこれとレベル的にかぶりそうです.