プレピーという,プラチナ万年筆から出ている大変リーズナブルな万年筆があります.インクカートリッジが一つ付属して,実売価格はなんと300円ほど.驚異的ですよね.
本体より高くなっちゃうけども,プラチナ万年筆用のコンバータが使えるので,それを付ければ好きな色のインクが使えます.評判が良いので試しに買ってみました.05(中字)タイプです.コンバータはなぜか持っていたので,それを使います.
そしてこれに合わせたのは J. Herbin の Bleu Myosotis(忘れな草ブルー).
うちにある似たような青系のと比べてみるとこんな感じでした.
紙は Rhodia.真ん中がプレピーの忘れな草ブルーです.中字なのでまあまあ線は太くなっているからか,それほど遜色なくは見えますけども,インクの色は他よりも薄めっぽいですね.
あ,今回はペンの話でした.この約 300 円で買えちゃうプレピーですが,正直すごいと思いました.見た目こそ安そうには見えますが,目をつぶって書けば,ウン千円だと言われても分からないくらいペン先が優秀です.万年筆になれた筆圧低めの人でもちゃんと書けるし,もちろんボールペンとかになれた筆圧の高い人も使えます.特に万年筆の命とも言えるであろうニブポイント(ペン先の紙が接する半球部分)は,ある程度高い普通の万年筆とまるで変わらない感覚です.
あとこんな値段なのに,キャップにはスリップシール機構がついています.ほんと,すごすぎ.透明なキャップだから,こうやって動くんだ〜というのが目に見えて感心します.私の #3776 Century にも付いている機能ですけども,あのキャップは黒いので中が見えないですからね.ちゃんと働いてるのかよ?って思ってました.笑
ペン先は筆圧を上げるとそこそこしなるように見えるのですけども,書ける線の太さにはあまり反映されないです.ここはやはり限界なのかな?と感じたところですね.実際に線を引くときに筆圧を上げたり下げたりしたときにどうなるか試したのが下の写真です.
Aurora や Pelikan は線の太さが脈動していますが,プレピーは太さが変わっていないのが分かるかと思います.ただこれはプレピーの05(中字)でのことなので,02(極細),03(細)でも同じ傾向なのかについては試していないので分かりません.結論は先送りします.
総括しますと,プレピーは300円くらいで買えるのにも関わらず,安かろう悪かろうという点が全くなくて(300円を主張しているのは,ペンクリップがプラスチックであることくらいか?),私がこれまで使ったことのある廉価版万年筆の中で,最も傑出した製品であると感じました.今まで万年筆を使ったことがない人でも恐れず手を出せる価格帯に,これだけの品質,性能を押し込んだメーカーにエールを送りたいと思います.ただプレピーは万年筆の中でもより工業製品らしいものではありますが,それでも個体差の存在は否めないので,全部が全部同じ感じになるかは分かりません.近いうちに買い足して調べてみようと思います.