いろんなインクを持っていると,少しだけそのインクで書きたいという時があります.たくさん書くなら万年筆に入れればよいのですが,インク交換時は洗浄、乾燥に時間がかかるし,要注意な入替パターン(顔料と古典インクなど)もあるので,万年筆って頻繁なインク入替には不向きなのです.そこでガラスペンを考えるわけですね.
ガラスペンの例(故・菅清風作)
これだと一回インクを付けると,保持性能によって異なりますが,ハガキから原稿用紙一枚程度まで書けるし,インクを保持する部分がペン表面の溝なので,洗浄も簡単.さっと拭いて,別のインクに変えることも簡単です.
そんな背景も影響してか,最近ガラスペンの人気がすごくて,いいのがなかなか買えません.現時点では性能の良い大量生産品がなく,いろんな職人が一本づつ丁寧に作っている状態です.いざ選ぶとなれば,当然いいのが欲しくなるじゃないですか.しかし目に付いたところはどこも品切れ.私が注文しようとしているものは半年待ちです.苦笑
でもインクのテストはすぐにもしたい.で,買ってきたのが付けペン.
セーラー万年筆の
hocoro(ホコロ)です.ペン先は万年筆のものと一緒ですが,ペン芯がないのでインク保持力は相当低いです.逆にそれはインクの付く量が少ないと言うことでもあるので,ちょっとだけ書く用途には良いです.メモ書き一枚程度と考えれば最適解かも知れません.ペン芯がないから洗浄もすぐですし.
付けペン自体は大昔からあって,柄が木製だったりするのをよく見かけますけども,hocoro は如何にもなプラスチックで,ぱっと見はちゃちな印象があります.けども,軸にペン先が収納できたり,転がらないようになっていたりと,デザインはよく考えられていて,おまけに日本製.値段は結構するけど,セーラーの心意気を買ってみることにしたわけです.
ペン先は細字と 1mm カリグラフィの二種類.私は普通に字を書いたときの色を見たいので 1mm の方にしました(ペン先が両方ついているセットもあります).万年筆に入れていないインクのカルテ作成に早速投入しています.ガラスペンと違って,扱いにもそれほど気を遣わなくて良いので,この用途にはこっちで正解.あれ?ガラスペン要るのか疑問になってきたぞ.笑