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by jq1ocr

研磨初体験

生まれて初めて宝石を研磨するにあたり,どんな石がいいのかなぁとは思いましたが,手元にあるのが Chrysoberyl (クリソベリル)でしたので,がんがん削っておりました.しかし,研磨中三回も石をとばしてしまい,嫌になってしまいました.ドップスティックから外れてしまうと,もう二度と同じ位置には戻せないため,再接着するたびに仕上がりが小さくなっていくのです.

頭を冷やして,またあとでやろうと思っていたところ,妻の研磨の師匠である N 先生が「まずは Fluorite を正八面体にすることから始めてみては?」と言ってたよ,ということなので,そうすることにしました.なんと Chrysoberyl は硬度 8.5 とかなり硬く,ダイヤモンド(みなさんご存じ,硬度10)や corundum(ルビーやサファイヤ,硬度9)に次いで硬いとのこと.要するにかなり難しいわけです.最初にやる石ではないということですね.その点 Fluorite なら,硬度4ですから,結構柔らかいし安価,でもきれいなので最初にやるにはよさそうです.

例えばブリリアントカットみたいに有名なものだと,カットするときの角度は決まっていて表にもなっているのですが,宝石を正八面体にカットすることはないらしく,資料に設定が載ってなくて,角度が分かりません.
研磨初体験_d0106518_1632279.jpg
正八面体
面は正三角形で構成されているので,その角は60°なのは自明ですが,となりの面にあわせて上が絞られるので,ファセッタにセットするときの角度は60°ではないのです.仕方ないので紙と鉛筆で計算です....うーん,手では無理だ.で,電卓を取り出して....70.53°となりました.ということはファセッターをセットする角度は.... 90-(70.53/2)=54.74°です.

早速研磨してみました.さすが柔らかいのでガシガシ削れます.おぉ,これはうまくいきそうだ....と思った瞬間,ファセッタが飛んで研磨機のカバーに衝突,石がドップスティックからはじき飛ばされてしまいました.

がーーん

仕方ないので,また角度がずれるのを承知でたっぷりめのワックスでスティックに接着します.で,ワックスごと再研磨していきましたが...やっぱりだいぶ小さくなってしまいました.ごめんね〜>蛍石

奥の深い宝石研磨の道.その入り口で早速困難にぶち当たってしまったのでした.で,今の課題は....「ドップスティックから外れないように研磨する」ですが,そもそも根気がいるので,「根気を養う」が最重要課題なのかも知れません.

うーん,修行だなぁ.苦笑
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by jq1ocr | 2008-07-13 16:43 | 宝石研磨・鉱物 | Comments(0)