hp20b 雑感
2008年 10月 17日
まず気になったのはサイズですが,この件は最初に「薄いだろう」という自分の思いこみから発したものなのですが,改めて hp の web を見ると,うまく薄く錯覚するような角度から撮影されています.うーん,確かにうそではないけど微妙な感じ.ちなみに裏蓋の厚さを見ると,無駄な厚みが大きいように思います.あまり薄いと机において使ったり,手に持って使ったりするときに操作しにくいので,この位でいいのかも.デフォルト薄く作っておいて,裏蓋を薄いのと厚いのに交換できたらおもしろいかも知れません.手に持って使うとき,側面のカーブは持ちやすさをもたらしています.
ついでボタンです.上の等価図(*)に示すように,私が使っている他の電卓 32s とか 48g,35sはボタンの手前側に蝶番がついているような動きをします.要するに向こう側がへこむのです.また支点があるので,どう押してもへこみ方は同じになります.しかし,20b の場合はボタンに支持されている場所がなくて,浮いたような感じで,どっちにもへこみます.なのに,ボタンは手前が低くなっているため,押すときに平行に沈まず,側面が穴の縁にこすれて不快な安っぽい操作性となるのです.これは 20b を使う上でもっとも大きな問題だと思います.
あとは表面の仕上げです.写真で見ると光沢があり,確かに格好いいです.でも裏蓋も同じようにつるつるなんです.これがどういう問題を引き起こすかというと,指紋が付きやすいと言うことですね.(iPod touch もそうなんですが) 実際に使うことを考えたら,もうちょっと違ったものになったんじゃないでしょうか.
最後にマニュアルです.今回は総代理店の July の正規品を買いましたので,日本語マニュアルがついています.同じ内容の英語マニュアルもついているのですが,内容は電卓の設定についてと,フィナンシャルの関数の使い方(ローンとか償却とかの話)だけです.要するに RPN の使い方はほぼ載っていません.ですので,RPN初心者がマニュアルをみて勉強するというような性質の内容ではないのです.よって,RPNの世界に誘おうとするとき,「大丈夫,日本語マニュアルがついてるよ」と言えるものではないわけですね.本当にフィナンシャルの機能を使うのであれば助かるでしょうが,科学計算用の関数電卓にしようとする人だと,読む内容はなにもないです.(あえて言えば,キートップにない hyp sin とかの出し方くらい)なので,ジュライさんには何とぞ価格設定を間違えないようにして欲しいと思います.(今の実売設定はちょっと高めかな.もちろん定価はあり得ない.)
昔の電卓には別冊で RPN の使い方(getting started 的なもの)の本がついていましたが,すでに RPN 使いになっていると意味がありません.なので,全数につける必要はありませんが,汎用的な日本語マニュアルを作ってもらって別に販売するという形態は如何でしょう?>ジュライさん
あとは改造して遊ぶ(?)世界がどれだけ広がるかというところが,ブームになるか否かの分かれ目なような気がします.
(*)等価図:実際の構造がこうなっているというわけではなくて,内部がこの等価図と同じ構造であったときと同じような動きをするという意味の説明図です.電気屋さんの等価回路(実際の回路がそうなっているわけではない)と同じ考え方ですね.