マイクロストリップ線路のインピーダンス算出
2008年 12月 10日
ここでいつも私がアンテナ関係の設計に使っている本を紹介します.
by Richard C. Johnson, McGraw-Hill
これを見ますと,よく使われている簡略式ではなく,もっとながーい式が載っています.今回の用途では簡易でもいいのですが,将来的なことを考えると,しっかりした算出根拠があった方がいいというのもあります.(こういう本に載っている式なら,論文化したときに引用できるけど,例えば CQ 誌に載っている式の引用はできないのです.ましてやオンラインのプライベート計算ツールは論外.)
その式を使ってプログラムを書いて計算してみたのですが,数値が変です.プログラムは素人なので,一応スポットで電卓叩いて計算してみたのですが,それでも同じくらいの変な数値が出てきます.具体的には最初にあげた例で550Ωほどになってしまいました.うーん,どこがおかしいのかな〜.
【追記】Antenna Handbook: Theory, Applications, and Design (by Y. T. Lo & S.W. Lee) に載っていた quasi-TEM の公式から解く方法で計算したところ,こんな感じになりました.
なんかだいぶ近づいた気がしますね.hi
【参考】Antenna Engineering Handbook に載っている計算式は以下の通りです.なお,検算のためのパラメータは次の通りとします.
h : 基板の厚さ (1.6mm)まず wide strip すなわち W/h>1 の場合の特性インピーダンス Z0 は以下の式で表現できます.
W : 線路の幅 (3mm)
t : 線路の厚さ (35μm)
εr : 基板の比誘電率(4.6)